チャットGPTをはじめとする生成AIの登場により、AIがより私たちの生活に身近になりました。
多くの作業や仕事を出来ることで注目を集めている生成AIですが、中にはイラストや絵の生成を得意とするAIもあります。
そしてこういったAIを利用してイラストを作成する、AI絵師と呼ばれるクリエイターも現れ始めました。
彼らはいったいどのようにして、イラストを生成しているのでしょうか?
本記事では、AI絵師がイラストを作成する方法について解説していきます。
AI絵師とは
AI絵師とは、AIツールを利用してAIイラストを生成するクリエイターのことを指します。
職業名には「絵師」という単語が入っていますが、実際は絵師のように自らが絵を描く作業は全体の仕事の中で限定的であると言えます。
AI絵師の仕事内容を大まかに見てみると、イラストの作成の大半をAIツールに任せていると言えるからです。
余談ですがこのような仕事内容から、果たして絵師と呼ぶに相応しいのかとする議論も存在します。
AI絵師はどのような作業をしているのか?
AI絵師は実際、イラストを完成させるまでに、どのような作業を行なっているのでしょうか?
利用するAIツールによって多少の違いはありますが、大まかな流れとしてご覧ください。
・コメントやイイネがもらえる
・使いやすいデザイン
・フォロワーが増えやすい仕組み
・好みのAi動画が見つかりやすい
・仲介手数料0円の投げ銭機能
①利用するAIツールを選択する
まずは利用するAIツールを選択します。
先ほどからAIツールと一言で申し上げてきましたが、実際はAIツールによって得意とする生成ジャンルは異なります。
ユーザーの説明文に応じた生成を得意とするツール、アニメチックなイラストの生成を得意とするツール、既存の写真と似たイラストを生成するのに長けているツールなど、特徴は様々であるため、自分が生成しようとする作品と最も相性が良さそうなツールを見極める必要があるでしょう。
②生成手段を把握する
AIがイラストを生成する手段は大きく二つあります。
一つは既存の写真やイラストから生成する方法です。
すでに存在する作品を、AIツールに読み込ませることで、AIがその作品の特徴をきちんと把握した上で似たようなイラストを生成可能です。
もう一つは、ユーザーの説明文によって生成を行う方法です。
一般的に説明文をプロンプトと呼びますが、ユーザーが自分の想像するイラストの特徴をプロンプトを通じてAIに指示して、AIがその指示通りにイラストを生成する方法です。
どちらの手段が適切かは生成物によります。
既に生成しようとするイラストの参考となる作品があるのであれば、前者の手段を選択できるでしょうが、独創的な要素が多い作品である場合はプロンプトを通じて、自分の想像を分かりやすく伝える必要があるでしょう。
③生成されたイラストの調整
実際にイラストが生成されたら、確認しながら調整を行いましょう。
AIイラストツールは、ビックデータを吸収した上でイラストを生成しているため、多少不自然であったり、要求とは違うイラストが完成することが考えられます。
そのため、明るさ、ぼかし、コントラストといった調整を利用して、自分が満足の行くように絵を仕上げていきましょう。
これらの調整は、PCやスマホにある写真加工機能を使用しても、行えるでしょう。
AI絵師をする際の注意点
AI絵師としてイラストを生成する際、注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
①AIイラストの販売を禁止しているサービスがある
AIイラストを生成すると、それを販売しようとする方が少なく無いと思いますが、販売サービスの中にはAIによる生成物の取り扱いを禁止している場合があることに注意しましょう。
詳しくは利用規約を確認する必要がありますが、私の把握している限りでは、クラウドソーシングサービス「ココナラ」と、クリエイターのコミュニティサービス「FANBOX」でAI生成物に関する規制があることを確認しています。(2023年12月)
ココナラではAI生成物の取り扱いを全面的に禁止、FANBOXでも部分的に規制が敷かれています。
②著作権法に注意する
AIイラストを生成する際には著作権法に敏感に接する必要があります。
AIによる生成や機械学習自体は、法律への接触をそれほど心配しなくて問題無いですが、販売や発信を行う際には注意が必要です。
AI生成物の著作権法違反を判断する基準として、「依拠性」「類似性」があります。
依拠性とは、AIの生成物が既存の著作物に依拠して生成されることで、
類似性は、AIの生成物と既存の著作物の類似度合いを意味します。
しかし基準となるとは言え、この2つの要素は非常に曖昧です。
見方によっては、依拠性と類似性の度合いがいくらでも揺れ動くからです。
このような曖昧な基準を判定するには、AIツールの利用者がどのような創作意欲を持って生成物を作成したか(創作意欲)、類似するのが致し方無かった事情がある場合を考慮します。
例えば、「AIツールの利用者は自分の創作意欲を持っていて、その上で類似した作品が完成したのは、仕方が無いことだ。」といった見方があれば、著作権法には接触しないという見解を示せるのです。
少なくとも、盗作しようとの意図や自覚が無ければ、法的処分を負う可能性は低いと言えるでしょう。